令和3年9月
東京2020オリ・パラボランティア体験記
北條 勇
4年前に東京2020オリンピック・パラリンピックのボランティアに応募し、何回かの関門をクリアして採用が決まりましたが、コロナ感染拡大が広がり大会が1年延期となりました。
その間、開催が出来るのか非常に不安でした。
大会開催が賛否両論する中でオリンピック開催が決定したことは、ボランティアの私より開催を待ち望んでいた世界中のアスリート達が一番喜んだことと思います。
しかし、開催間際になって無観客開催となり、一部予定していたボランティアの活動が無くなり、その中に私も含まれていました、その連絡が入った時には大袈裟ですが、頭の中が真っ白状態でした。
勿論、購入することが難しかった観戦チケットを手にして競技場で観戦を楽しみにしていた人々だと思いますし、満席の競技場で応援してくれると思っていたアスリート達だったでしょう。
でも、その後すぐ私に別の活動場所を提案され、そこは東京体育館での卓球競技場所の試合前のウオーミングアップエリアでした。
やっとオリンピックのボランティア活動が出来ると喜びました。
7月25日が活動初日でしたが、19日から公式練習が始まっており、既に活動をしているボランティアが多くいて、活動要領を教えてもらいながらのスタートでした。
ただ、初日は混合ダブルス競技があり、伊藤美誠・水谷隼組を始め多くの日本選手の練習を目の当たりにし、試合前の練習前とは思えない激しいのに驚きと感銘を受けました。
そして、準々決勝は伊藤・水谷ペアがドイツと3対3で迎えた最終ゲームも途中7ポイントをリードされ、これで負けかと誰しも思われたが、6−10でドイツのマッチポイントから追い上げて7回ものマッチポイントをしのいで4対3で勝利した試合は衝撃的でしたし、その試合をウオーミングアップ会場で練習中の各国の選手やボランティア達がモニター画面の前に釘付けとなっていました。
本当に卓球競技会場でボランティア活動が出来て良かったと思いました。
ウオーミングアップ会場は卓球台が12台設置されており、当日の試合ある選手が練習しますが、各国に練習台と練習時間が決められており、それを管理したり、コロナ禍の中ですので練習後の台の消毒を朝8時から21時まで2交代でのボランティア活動ですが、選手たちは練習前後にリラックスするため、飲み物・軽食が準備されており、サンドイッチやカップ麺を自由に手にして談笑しているチームや、試合前の緊張感が感じられるチームもありました。
選手達との交流や写真撮影は禁止されており、オリンピックではほとんどありませんでしたが、混合ダブルスで優勝した翌朝の練習に来た伊藤美誠選手にお祝いを伝えると嬉しそうに返事が返って来ました。
別の活動個所からシフトされた私は、オリンピックでの活動は当初の計画から半減の5日間でしたが、卓球競技会場の責任者からパラリンピックのボランティア活動をしないかと話があり、活動予定が無かったパラリンピックのボランティアを12日間活動することになり、それも同じ卓球競技会場ですることになり、望外の喜びとなりました。
活動中に香川県出身の車いす2の皆見信博選手に会い、話をすることが有りました。
残念ながら一時リーグで敗退しました。
そして、日本は銅メダル1個でパラリンピック卓球競技は終えました。
しかし、A・Bのシフトによっては早朝に自宅を出掛けたり、夜遅く帰宅となるなどパラリンピック大会が終わる頃には疲れを感じましたが、これも満足できる疲労感でした。
オリンピックでは感じられなかったが、パラリンピックの選手達が不自由な身体で競技に臨み、好結果を達成することを目指しているが非常に明るいと選手たちが多いと感じました、私だけでなく多くのボランティアが言っていました。
各国の選手とボランティアがピンバッチの交換をする風景が多く見られましたし、私も数個のピンバッチを頂きました。
パラリンピックの選手を見て、五体満足な自分はまだまだ頑張って行かなければと再認識をしました。
私がスポーツボランティア活動を始めたのは、2011年の東京マラソンが最初で、これも前年の東京マラソンに知人が出場していたのを応援に行き、ボランティアの存在を知り、
活動中のボランティアにどうすれば活動が出来るのか教えてもらい、翌年応募して採用され、それから10年になりますし、その後始まった横浜マラソンのボランティアも始めました。
ランナーを応援することでランナーから有難う等の感謝の言葉が返ってくると、ボランティア活動をやって達成感を得られますし、大会の成功を僅かの力ですが応援出来る喜びをこれからも続けて行きたいと改めて思っています。
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